2004年3月発行機関紙 No.001

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NPO法人らいふ・すけっとはこの度、当機関紙「わんだふる・らいふ」を発行する事ができました。前身である「加古川の障害児教育を考える会」に負けないよう、活動も機関紙もこれからどんどん盛り上げていきたいと思います!

ごあいさつ

特定非営利活動法人らいふ・すけっと設立に当たって

このたび、特定非営利活動法人の認証がおり、昨年(2003年)10月20日認証式(写真参照)に出席して参りました。これもひとえにみなさま方のご支援ご協力のたまものとスタッフ一同感謝いたしております。

認証式の様子

現在昨年4月からのらいふ・すけっと居宅支援事業所を特定非営利活動法人らいふ・すけっとの傘下に移行中です。障害者運動と事業所運営ということで、慣れない支援費請求事務やヘルパーさんの労務、そして税務と初めてのそれも苦手な事務ばかりで悪戦苦闘の日々が続いております。

昨年一年間でも様々なことがありましたが、利用されている方の生活が拡がっているという喜びの声を聞くにつけヘルパー派遣の理念としている「対等な立場で障害のない人のあたりまえにしている生活をしていくために必要な時間帯や介助内容を仕事として応援していく」の大切さを痛感しております。

この東播磨で「障害者が地域で当たり前に生きていける社会」を目指し、活動していきますので、今後ともご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

理事長 高田 耕志

ピア・カウンセリング体験報告

ピア・カウンセリングとは何か?

「ピア(peer)」とは同等者、同輩、仲間といった意味があり、この場合、障害を持っている「仲間」を指している。一般的なカウンセリングとは違い、話をするカウンセラーと聞き手のクライアントが、対等の立場で話を聞き合い、本来もっている力を引き出すのが、ピアカウンセリングである。

私の言葉でいえば、共通の環境にいた友人(同じクラスの友達など)に不平不満や悩み事を打ち明けあうと気持ちがすっきりすることがあるが、それをシステム化したのがピアカウンセリングであると言える。自分が思っていた感情を話すのだから、「秘密厳守」という決まり事があり、感情を表に出しやすくするために「否定・批判をしない」「アドバイスをしない」といった約束事があるのだと思う。また、単なる愚痴にならないために、ピアカウンセリングの3つの目標「自己信頼の回復」「人間関係の再構築」「社会の変革」が設定されているのではないだろうか。

いずれにしてもピアカウンセリングとは、これまで障害を持つがゆえに抑えられてきた感情を解き放ち、自分の本来の力を取り戻し、自立に向かって前進するためのひとつの手法である。

初めてピアカウンセリング講座に参加した感想

2003年9月5日から2泊3日、奈良で行なわれたピア・カウンセリング集中講座に初めて参加した私は、そこでいろんな事を学んだ。最も大きな収穫は、ピアカウンセリングとは特別なカウンセリングではなく、相手がいればいつでも誰もがカウンセラーやクライアントになれる事が分かった事。特別な設備や雰囲気、専門家が必要ないため、ピアカウンセリングを身近に感じることができた。

また、話を聞くことは話すことと同じぐらい集中力を要する重要な作業なのだということも学んだ。一生懸命聞いてもらえると本音が言え、逆に適当にあしらわれると話したくなくなることがあるが、「一生懸命聞く」には、相手の言葉や表情を全身で聞く姿勢が必要であることが分かった。

そしてなにより、新たな友人が増えたことが一番嬉しかった。

番外編~奈良散策

会場となった三井ガーデンホテル奈良はJR奈良駅の西にあり、市内循環バスで行けば奈良の大仏がある東大寺まで15分の位置にある。せっかく奈良にきたのだからと、講座終了後、講座で知り合った友人に案内してもらいながら、奈良観光をした。

奈良市は市内循環バスが内回りと外回りとあり、2、3台に一台ぐらいの割合でノンステップバスあるいはリフトバスが回っている。このため、事前に車椅子が乗れるバスの時刻表を調べることなく、一般客と同様にバス停でバスを待ち、車椅子ごと乗れるバスを待った。車椅子であることをそんなに意識することなくバスに乗れるのは、大変気持ちが良いことだと改めて実感した。

東大寺への道は、石畳で、車椅子がかなり振動し、お尻の位置が動いてしまうため、姿勢を立て直しながら移動することになった。周辺にいる鹿たちは鹿せんべいを贅沢に食べているせいか、ちょっと太り気味の様子。奈良限定キティを自分へのお土産として購入し、大仏を見るため、建物横にあるスロープを使って建物内に入った。

大仏を見るのは小学6年の修学旅行以来だった。あの時はもう二度と目にすることはないからできるだけ記憶にとどめておこうと、じっくり見て回った気がする。でも今回は、時間も余りなかったことから、大仏の正面を見て、あとは案内してくれた友人と雑談を交わすだけにした。話をしながら眺めた外の景色は、大仏に見守られているせいか、青い空と草花のみどりがとても鮮やかで、素晴らしい風景だった事が印象深い。

金村・記

事務局より

編集後記

支援費が始まってからまだ一年なのに介護保険への統合が話し合われるようになってきました。介護保険に統合されるとどうなるんだろう?自己負担が増えるのかな?これまでと同じ生活は続けられるのかな?今後の厚生労働省の発表が気になります。

以上

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ユニハイツ101号